【米国MBAの学び】Googleの“Project Oxygen”から学ぶ優れたリーダーの要件とは

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優れたリーダーになるためにはどうしたらいいのだろう?

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そもそも優れたリーダーってどんな人だろう?

ぺんまま
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こんにちは。ぺんままです。

今日は米国MBAでも取り上げられた、Googleの“Project Oxygen”から学ぶ優れたリーダーの要件を紹介します。

グローバルの株価ランキングやブランドランキングでも常にトップ5に入っており、コンスタントに成長を続けているGoogle。Googleでは(現在)156,500人の従業員(2021年Annual Reportより)が在籍していますが、これらの優れたリーダーとはどのような人なのでしょうか?

引用:https://www.cnbc.com/2020/01/02/google-employee-growth-2001-through-2019.html

この記事は米国MBAで使用したHarvard Business SchoolのCaseとGoogleが公開しているのre:work(英語日本語)を元に記述しています。

Googleが急速に成長をしていた2000年代、Googleはエンジニア中心でとてもフラットな構造でした。しかし、2009年、“Do managers matter?”(マネージャーは重要か?)という問いを掲げ、”Project Oxygen”というコードネームの調査チームを立ち上げます。この調査は2段階で結果が出ています。

1. “優れたマネージャー”と“劣っているマネージャー”の違いによって、仕事の満足度、離職率、業績に大きな影響があるということ
→つまり、マネージャーは会社にとって大いに重要であること

2. “優れたマネージャー”には10*の共通する行動規範があること
*Harvard Business Caseでは8つの行動規範となっていましたが、後に3つ目と6つ目がアップデートされ、さらに9と10が加わったという記載がありました。https://rework.withgoogle.com/blog/the-evolution-of-project-oxygen/
具体的には下記の10項目です。

Googleの優れたマネージャーの行動規範

  1. Is a good coach
    良いコーチである
  2. Empowers team and does not micromanage
    チームに任せ、細かく管理しない
  3. Creates an inclusive team environment, showing concern for success and well-being
    チームの仕事面の成果だけでなく、健康を含めた充足に配慮し、インクルーシブ(包括的)なチーム環境をつくる
  4. Is productive and results-oriented
    生産性が高く結果を重視する
  5. Is a good communicator — listens and shares information
    効果的なコミュニケーションをする 人の話をよく聞き、情報を共有する
  6. Supports career development and discusses performance
    キャリア開発をサポートし、パフォーマンスについて話し合う
  7. Has a clear vision/strategy for the team
    明確なビジョンや先着を持ち、チームと共有する
  8. Has key technical skills to help advise the team
    チームにアドバイスできる専門知識がある
  9. Collaborates across Google
    部門の枠を越えてコラボレーションを行う
  10. Is a strong decision maker
    決断力がある  


Project Oxygenではこれらの特定された行動規範を元に、マネージャーをこれらの規範を認識し、身に着けサポートできるような具体的アクションプランを立て、実行していきました。ぺんままがとりわけデータと分析に基づく意思決定を尊重するGoogleらしさを感じたのは、定期的に社員がマネージャーにに対するフィードバックアンケートを行い、マネージャーに共有するという取り組みです。アンケートは、“優れたリーダーの10*の行動規範”が盛り込まれた評価指標に対して社員がどの程度同意できるかを評価したり、匿名でコメントをしたりするものです。Googleではこの調査をただ実施するだけではなく意義ある取り組みにするために、フィードバックの文化を根付かせることを重要視して、マネージャーの理解を促す働きかけが行われました。Googleが提唱しているポイントが下記の5つです。

  • Approach the results with a growth mindset because research shows it can impact how we learn.
    アンケート結果には、「それをどのように自分の成長に生かせるか」という姿勢で臨む。このような態度で自分に関するアンケートに接すると、学ぶ姿勢にポジティブな影響があるという調査結果があります。
  • Take time to review and digest the results.
    アンケート結果をレビューし、自分の中で消化する
  • Choose the most important theme and focus on just a few, actionable ways to improve.
    最も重要なテーマを選び、実行に移しやすい改善方法に重点的に取り組む。
  • Discuss the results and your plans with the team.
    フィードバックの結果と今後の計画についてチームと話し合う
  • Follow up with clear commitments to action.
    責任を持って行動に移す


GoogleのProject Oxygenで特定されたリーダーの要件が、すべての会社や組織にとっての“優れたリーダー”になるとは限らないと思います。Googleはアメリカの企業であり、Engineer中心の文化であったり、ジョブ型雇用であったりと、独特の背景が存在おり、必ずしもすべての企業や組織と同じ条件であるというわけではないためです。そのため、まずは自分の会社や組織にとってどういうリーダーが“優れたリーダー”であるのか問いその”優れたリーダー”を育てるためにはどうしたらいいかを具体的にプランニングし効果を測定しながら実行してPDCAサイクルを回していくことをGoogleのProject Oxygenの研究の過程を参考にして特定していくことが重要であると思いました。

Googleの具体的なツールやカリキュラム、アンケートの項目やプレゼンテーション資料など、とても具体的な資料が公開されていますので、ご参考になさってください。
re:work 英語サイト re:work 日本語サイト

Project Oxygenの研究をもとに、さらに「効果的なチームとは何か」を知る研究としてProject Aristotleが行われています。こちらに記事をまとめていますのでご参照ください。

また、本が出版されているのでご参考にしてみてください。

皆様が、皆さまの環境における”優れたリーダー”として素晴らしいチームで良いパフォーマンスを出せますよう、ぺんままは心からお祈りしております。